概要

根管治療の主な失敗原因について、根拠となるグラフを用いて解説しています。

根管治療の主な失敗原因は以下の通り

  • 神経を抜く治療

・神経が根の先まで抜け切れていない
・見つからなかった神経が腐敗した
・細菌が適合の悪い詰め物や被せ物の隙間から歯の内部に入り込んだ
・腐食性の高い薬を歯の中に使用した

  • 根の先に膿みが溜まっている歯

・以前の治療で歯の中に細菌が除去できていない
・根の外表面や膿の中で細菌が繁殖している
・根の先が嚢胞化している

根管治療した歯が抜歯になった原因の41%は不適切な詰め物や被せ物の装着による

Olcay K, Ataoglu H, Belli S. Evaluation of Related Factors in the Failure of Endodontically Treated Teeth: A Cross-sectional Study. J Endod. 2018 Jan;44(1):38-45.

詰め物や被せ物が適切でないと細菌が隙間から歯の内部に侵入して根管治療が失敗する

*適切な上物と根の先端まで薬が入っていても8.6%は歯の中に見つかっていない隙間があり感染が拡大して失敗している
*根の先まで薬が詰まっていても上物が不適切な状態で装着されていると根管治療が失敗してしまうことが多い

Ray and Trope 1995