診断・治療

診断

慢性根尖性歯周炎

治療内容

歯の奥側の歯肉から膿が出ていて、清掃してもなかなか治らないことを主訴に他の歯科医院より紹介。診査したところ神経は奥側と手前側の二本あり、神経はすでに死んで腐っていることから歯根の先から骨の中に細菌が侵入して免疫反応により排膿し歯周炎をおこしていると診断。そこで根管治療を開始した。奥側の神経は予想どおり壊死していたので除去し、清掃後にMTAにて充填した。しかし手前側の神経が根の先端付近にて生活反応がかろうじてあったため、歯髄再生療法に切り替えて清掃後、出血させ、血餅の上にコラーゲン膜を載せ、MTAにて歯髄幹細胞から歯髄細胞へ分化するように促した。術後3ヶ月のX線写真からは奥側の吸収されていた骨は再生され、根の周囲にあった膿も消失していた。様々な角度からスライスしたCT画像からも治療前に消失していた骨が正常な状態に再生されていることが確認できた。また歯髄を再生させた部分の根の先にあった歯周炎も消失し骨が再生されていることと症状もないことから、治療が成功したことを確認できた。

治療後

治療期間

一回の治療(1.5時間)で完了させ、3ヶ月経過観察をおこなった

費用の概算

初診料 2万円/ CT撮影 2万4000円 /マイクロエンド(顕微鏡を使用した根管治療・MTA含) 14万円 /マイクロエンド(顕微鏡を使用した根管治療・コラーゲン・MTA含) 18万円 /ファイバー 2万6,000円 ファイバーポスト 4万6,000円

治療後の経過

治療後1週間で膿は消失し、治療後3ヶ月で膿により溶けていた骨が再生され、治療前にはしっかりものを咬むことはできなかったが、普通に違和感なく咬むことができるようになった。口臭もなくなったとのことである。

主な副作用

副作用が発生するという種類の治療ではないので、失敗することがリスクになる。歯髄再生療法(血管再生法)が失敗する場合は歯髄組織が再生されずに骨や歯根膜、セメント質が根管に再生して入り込む結果になる。この場合でも感染していない限り再治療の必要はない。